トップ 病院紹介 診療室より 平成26年度市広報掲載分 病理診断について

病理診断について

健康ガイド 診療室から 今回の先生

検査部長(病理専門医、細胞診専門医、臨床検査専門医) 中野 晃伸

今日は皆さんの体から採取した組織を、どのような過程で診断するのかをご紹介いたします。
まず、採取した組織を直ちに固定液の中に入れます。次に脱水し、有機溶媒の中で油になじませてから、溶かしたパラフィンというろうの中に埋めます。こうすることで組織が硬くなり、薄く切ることが可能になります。薄く切った組織をスライドガラスに張り付けた後、有機溶媒でパラフィンを除き、油抜きをしてから水溶性の染色液で染めて、顕微鏡標本として観察します。
次に内視鏡検査を例に挙げて説明いたします。胃や大腸の病理検査の目的は病変が腫瘍性のものなのかそうでないのか、腫瘍性であれば悪性なのか良性なのかを調べることです。また、進行度や治療の方法などが予測できれば合わせて報告されます。さらに内視鏡を用いて病変を切除することも行われ、この場合は病変の性格診断に加えて、切除した病変の取り残しがないか詳しく調べます。胃の粘膜にピロリ菌という細菌がいるかどうかも重要な情報となっています。ピロリ菌は、胃炎、胃潰瘍、胃癌、悪性リンパ腫や血液の病気の原因となることが分かっており、除菌することが望ましいと考えられています。
その他、病理医の仕事は、手術中に病変の性格や広がりなどを速やかに診断して手術法の選択に役立てる術中迅速診断や、切除された臓器や組織を詳しく調べて手術後の治療に役立てることなどが挙げられます。今回は紹介できませんでしたが、子宮や乳腺、甲状腺などでは細胞診という方法も行われます。いずれの場合も診断は、医師免許を持った病理専門医が行っています。
土岐市立総合病院には常勤の病理専門医が勤務しており、迅速かつ正確な病理診断をすることで市民の皆さんのお役に立てるよう頑張っております。
今後とも土岐市立総合病院を応援いただきますようお願いいたします。

平成27年1月1日号広報ときより

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