平和の誓い(全文)

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ページ番号1010227  更新日 2025年8月18日

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平和の誓い

 僕たちが平和について考え始めたのは、中学二年生の終わりごろからでした。修学旅行で広島に行くことが決まり、総合的な学習の時間の一環で平和学習を進めることになったのです。しかし、戦争と言ってもイメージすることが難しく、広島に行くまでは軽い気持ちで取り組んでいたように思います。

 そして、修学旅行で訪れた広島で僕たちは、戦争の悲惨な事実を突きつけられることになりました。特に平和記念資料館で見た、被爆者の方の言葉にならない叫びが「魂の叫び」として展示されており、その資料を未だに鮮明に覚えているほどです。おそらく、僕のクラスメイトも同じだったのではないかと思います。現地のガイドさんの話は僕たちの心に語り掛けてくる、とても感慨深いものでした。ガイドさんの話を聞きながら改めて原爆ドームを見ると、当時の様子が想像でき、恐ろしさに鳥肌が立つほどでした。

 その後、僕たちは平和記念公園を離れ、それぞれの班で原爆の痕跡を探しに町へ出ました。僕の班では広島城へ行きました。すると城の入り口の門の手前に人だかりができており、何があるのだろうと後ろから見てみると、そこには木の皮がただれ、形がゆがんだ木が生えていました。木の隅に説明書きがありました。原爆を生き延びたたった一本の木だと書いてありました。原爆の中を生き延びた、苦しさと強さを感じました。

 これらの体験を経て、広島研修が終わりました。胸を締め付けられるような悲しい現実があったという事実を受け入れるのがやっとでした。

 修学旅行から帰った後、「平和とは何か」についてまとめる時間があり、今回の経験を振り返りました。様々な意見が出ました。「戦争についてもっと調べた方がいいと思った。私たちは、戦争を経験したことがないからこそ戦争の罪の深さや命の尊さを知り、考えることが大切だと思った。」「今、生きていることに感謝すべきだし、毎日が来るということは自分たちのために誰かが動いているということだから、自分も誰かのために動けるようになりたい」という意見が特に心に残り、当たり前のこの生活に感謝をして、この当たり前の生活を送れていない人がいるという現実をもっとよく知ろうと思うようになりました。

 そして、「平和のために必要なことは何か」について僕たちなりの答えを出しました。

「世界中が平和を目指し、戦争をしない方法を選択できるように、平和について深く考えること」

「周りの人も自分と同じように大切にすること」

「命の重みを知り、みんなが平等な立場で生活すること」

など様々な意見が出ました。このような考えは、この修学旅行での経験がなければ生まれてこなかったと思います。そして、このような考えをもつことができたことで、自分たちにもできることを二つ、見出すことができました。

 一つ目は、自己中心的な考え方をせず、周りの人の考えを尊重するということです。戦争や争いは必ず意見の食い違いから起きます。だからこそ、身のまわりの人と出し合った意見を組み合わせて、最善の方法を見つけ、お互いが納得できる形で話し合いを成立させることが平和を作るうえで大切です。これは、僕たちの日々の生活でもできることだと思っています。

 二つ目は、「戦争が起きた」という事実を忘れず、後世に伝える人材となるということです。これからの未来、実際に戦争を経験した人たちの数は減ってしまいます。そこで僕たちは、これからの未来を担う者として、得た知識や聞いた話を自分の子供に伝え、どれほど平和が大切であるかを僕たちや未来の子どもたちが考え続けることで、もう戦争が起きない国にすることができるのではないかと思うのです。この方法を実践できるのは、これからを生きる僕たちです。

 今でも世界には戦時下で夜も眠れず、ご飯もろくに食べられない人が数えきれないほどいます。そのような人が安心して暮らせるような世界を作るために、まずはこの国が世界の見本となるために、僕たちができることを実践していきます。

 平和には答えがありません。最終的にどうなれば、完全に平和になったと言えるのか、僕たちにはわかりません。だからこそ、僕たちは「答えのない平和」について、これからも考え続けていくことが大切だと思うのです。

 この平和を守り、平和を未来に引き継ぐために、僕は、僕たちは、平和について考え続けていきます。

 令和七年八月十五日

 土岐市立西陵中学校 三年 星野幹太

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