磁器と陶器の違いは

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ページ番号1002176  更新日 2023年1月25日

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磁器は、陶器よりガラス質を多く含みます。

何が違うかというと、ガラス質になるほど、素地が水を吸いにくくなります。
ガラスが素地の中の穴の連結を閉ざすようになるからです。
吸水率と言います。
磁器は、ほとんど吸水率が0%です。
陶器は、10%近く吸水率を持つ事もあります。
陶器素地は、穴ぼこだらけです。ガラス量が少ないので光を通しません。
磁器は、半分以上がガラス質になっているので光を通します。
焼きしまっているので叩くとチンチンと澄んだ音がします。
陶器は、磁器より鈍い音となります。

通常、焼き物の成分は、長石、珪石、粘土の3成分から成り立っていると説明します。

長石と珪石はガラスになる成分です。
長石は珪石を融かします。
粘土は、耐火性でしかも成形性を持っていて、器物の形を作ります。

この成分の比率が陶器と磁器では異なります。
長石を多くすると、良く熔けて磁器になります。
少なくすると陶器になります。
おおよそ
磁器は、長石30%、珪石40%、粘土30%です。
陶器は、長石10%、珪石40%、粘土50%です。

磁器は、鉄分の少ない原料を選択して使います。
粘土と言っても、カオリナイトとか、陶石とかいう、鉄分の少ない原料を使います。
そうでないと、白さの程度が落ちます。
磁器は、その白さが重要です。
基本的に、釉薬は透明釉です。
白さがあって、初めて顔料のデザインがきれいに発色します。
そして、その透光性も重要になることがあります。

白さが落ちると、灰色になって、せっ器(ストーン)の分類になります。

陶器は、もともと自然原料である陶器用粘土を主体に使いますので、鉄分が磁器よりは多く含まれ色が付くのが普通です。
陶器は白さで勝負しません。釉薬も色釉が主体です。
素地の色が表面に影響してしまう場合は、化粧土をかけて白くしてから色を付けたりします。

陶器は、磁器より肉厚になります。穴ぼこを多く含むので、厚く作っても、磁器で同じ厚みの物を作った場合と比較すると軽くなります。
また、穴ぼこのおかげで、器の中にお湯を入れても、手で持って飲めます。磁器では、薄い上に熱が早く伝わるので手で持つのは苦労します。日本の伝統的な食器に「とって」が付いてないのは、元々が陶器の国だからです。ヨーロッパは、磁器の国だから「とって」が必要でした。

陶器は、素地が水を吸うので、良く乾燥してから保管しないと、最悪の場合黴が発生したりすることがあるので注意が必要です。
扱いの容易さの点では、磁器の方が楽です。しかし、陶器には陶器の味わいがあります。
美濃焼きでも、磁器の素地に伝統的な陶器釉(織部とか、黄瀬戸、天目等)を掛けて、陶器風にした商品があります。

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