焼き物の素地に長石を入れる理由

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ページ番号1002181  更新日 2023年1月25日

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「磁器の製作においてケイ石と長石を配合する理由」を調べているのですが教えていただけませんか?

答え

さて、上記の質問ですが、答えは簡単です。
ガラスを作るためです。
ガラスを作る事が、すなわち磁器化する事です。焼結ともいいます。
珪石はガラスの材料、長石はガラスを熔かす材料です。

焼き物の場合、全部がガラスになるわけではありません。
結晶として、ムライト、熔け残りの珪石、時にはクリストバライト、等が焼成品の中に存在します。

長石が少なく、結晶が多く残る場合は陶器です。陶器は、粘土が多くなります。

磁器は、粘土30%、珪石40%、長石30%(純粋な原料としての調合です。)がおおよその調合です。

陶器は、粘土50%、珪石30%、長石20%ってところでしょうか。

珪石、長石の他に粘土を忘れてはいけません。
形を作って保つためには粘土が少なくとも30%は必要です。

ガラスと違うのは粘土を使う事でもあります。
長石の珪石だけでは、どろどろと流れた志野茶碗の釉薬のようになってしまいます。

釉薬は、ガラスですが、主成分は長石と石灰と珪石と、僅かなカオリン(粘土)です。
石灰も珪石を熔融してガラスします。長石の10倍の威力があります。
しかし素地には、入れません。素地に入れると、ある温度で、くしゃと形が崩れてしまいます。

長石の熔融は、広い温度域に渡って、ゆっくりとかします。
形がくずれません。だから、焼き物(素地)には長石を使います。

素地に石灰を使う陶器もありますが、低温で焼きます。またガラスの量も少ない陶器になります。(マジョリカ焼きや、白雲陶器があります。)気泡がいっぱい入った素地になります。温度を上げすぎると熔けてしまいますから・・

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